健康
ボストンテリアの目の病気|チェリーアイ・角膜・白内障のサインとケア

ボストンテリアは、目が大きく前に出ているのが魅力でもあり、弱点でもあります。目が露出している分だけ外傷や乾燥に弱く、目のトラブルが起こりやすい犬種です。この記事では、チェリーアイ・角膜の傷・白内障・ドライアイ・緑内障といった目の不調のサインと、家庭での気づき方・日常のケア・受診の目安をまとめました。ここで紹介するのは見分けの手がかりであり、確定診断と治療は必ず動物病院で受けてください。
なぜボストンテリアは目のトラブルが多いのか
ボストンテリアやフレンチブルドッグ、パグなどの短頭種は、鼻が短く、眼球が前方に大きく突き出した「目が大きい」顔立ちをしています。かわいらしさの理由ですが、その分だけ目の表面が外気にさらされ、次のようなリスクを抱えやすくなります。
- 枝・草・じゅうたん・遊んでいる相手の爪などで角膜を傷つけやすい。
- まぶたが目を覆いきれず、表面が乾燥しやすい。
- 目やに・涙やけが起こりやすく、目の周りが汚れやすい。
つまり「目が大きく前に出ている」という体型そのものが、外傷と乾燥への弱さにつながっています。これは性格やしつけの問題ではなく、犬種の骨格からくる特徴です。だからこそ、日ごろから目の様子を見るくせをつけておくことが、いちばん身近な予防になります。早く気づけるほど、軽いうちに動物病院で対応できる可能性が高まります。
家庭で気づける「目の不調」5つのサイン
むずかしい知識がなくても、次の5つの変化は飼い主が気づけるポイントです。あてはまるものがあれば、動物病院での確認を検討してください。
- 涙が増える:いつもより涙っぽい、目の周りが濡れている。
- 目やにが多い・色がおかしい:黄緑っぽい・量が急に増えた。
- 充血している:白目や目頭が赤い、まぶたが腫れている。
- 白く濁る:黒目や瞳の奥が白っぽく見える。
- まばたき・目つきがおかしい:しょぼしょぼする、片目を細める、開けづらそう。
とくに片目だけ・急に始まった・痛そうにしているときは、緊急性が高いことがあります。早めの受診を優先してください。
チェリーアイ(第三眼瞼腺の脱出)
犬の目には、目頭側に「第三眼瞼(瞬膜)」というまぶたがあり、その奥に涙をつくる腺があります。この腺が本来の位置から飛び出し、目頭にサクランボのような赤い膨らみとして見えるのがチェリーアイ(第三眼瞼腺の脱出)です。
比較的若い時期に出やすいのが特徴で、最初は片目から始まり、もう片方にも起こることがあります。飛び出した腺が目を刺激したり、犬が気にして前足でこすったりすることで、涙が増え、結膜炎や角膜炎を併発することもあります。
角膜潰瘍・角膜炎(目の表面の傷)
角膜は黒目の表面を覆う透明な膜です。目が前に出ているボストンテリアは、この角膜をぶつけたり引っかいたりして傷つけやすい犬種です。傷から炎症が起きると角膜炎、傷が深くなると角膜潰瘍と呼ばれます。
サインは、目をしょぼしょぼさせる・開けづらそうにする・涙が止まらない・まぶしがる・前足で目をこするなど。痛みを伴うことが多く、短時間で悪化することもあるため、目の表面の傷が疑われるときは様子見をせず、できるだけ早く受診してください。
家庭で市販の目薬を自己判断で使うのは避けましょう。傷の種類によっては合わない薬もあり、かえって悪化させることがあります。
白内障(目が白く濁る)
白内障は、目の中の水晶体が白く濁って視力が落ちていく病気で、遺伝的な要因や加齢などで起こります。瞳の奥が白っぽく見えてきたら気づきのきっかけになります。
ただし、瞳が白く見える原因は白内障だけではありません。年をとると水晶体が青白く見える「核硬化」という加齢変化もあり、見た目だけで区別するのは難しいものです。物にぶつかる・動きたがらない・暗い場所を嫌がるなど、見えにくさを思わせる様子があれば、早めに動物病院で確認してもらいましょう。
乾性角結膜炎(ドライアイ)
乾性角結膜炎は、涙の量が足りない・涙の質が悪いなどで目の表面が乾いてしまう状態です。目が大きく露出しているボストンテリアでは表面が乾きやすく、注意したい不調のひとつです。
サインは、ねばつく目やにが増える・白目が充血する・目をしょぼしょぼさせる・角膜が曇って見えるなど。慢性的に経過することが多く、放っておくと角膜の傷につながることもあります。気づいた段階で動物病院に相談し、点眼などのケアを継続するかどうかを獣医師と決めていきます。
緑内障(眼圧が上がる)
緑内障は、目の中の圧(眼圧)が高くなり、視神経がダメージを受けていく病気です。急に進む場合は、目が赤い・大きく見える・強く痛がる・元気がないといった様子が出ることがあります。
緑内障は時間との勝負になることがある病気です。目を強く痛がる、急に目つきや見え方が変わったといった様子があれば、できるだけ早く動物病院を受診してください。家庭でできることは「早く気づいて、早く連れて行く」ことに尽きます。
涙やけ・目やにとの付き合い方
ボストンテリアは目の周りが濡れやすく、目頭から口元にかけて茶色っぽく変色する「涙やけ」が出ることもあります。涙やけそのものは見た目の問題のことも多いですが、急に涙の量が増えた・片目だけ・においやかゆみを伴うときは、その奥に角膜の傷やドライアイ、まつげの異常などが隠れていることもあります。
毎日の目やにのケアは、目の状態を知る良い機会です。やわらかい布やコットンをぬるま湯で湿らせ、目を傷つけないようにやさしく拭き取ります。乾いたティッシュでこすったり、目の表面に直接触れたりするのは避けてください。拭き取るときに目やにの量・色・左右の差を見ておくと、変化に早く気づけます。気になる涙や目やにが続く場合は、原因を動物病院で確認してもらいましょう。
やってはいけないこと
良かれと思った対応が、かえって目を傷めてしまうことがあります。次の点には気をつけてください。
- 人間用の目薬を使わない:成分や濃度が犬に合わないことがあり、自己判断での使用は避ける。
- 赤い膨らみを押し戻さない:チェリーアイを指で戻そうとすると悪化のもとになる。
- こすらせ続けない:かゆがる・気にする様子があるときは、悪化や二次的な傷につながることがある。エリザベスカラーの要否も含め獣医師に相談を。
- 様子見をしすぎない:目は短時間で悪くなることがある。とくに痛がるときは早めに。
毎日の目のケアと予防
病気そのものを家庭で治すことはできませんが、リスクを下げる日常ケアはできます。むずかしいことではなく、習慣にできる小さなことばかりです。
- 目の周りを清潔に:目やには、やわらかい布やコットンをぬるま湯で湿らせ、目頭から外側へやさしく拭き取る。乾いたまま強くこすらない。
- 目をぶつけない環境づくり:散歩中の枝や草、家具の角、遊び相手の爪などに注意。テンションが上がって走り回る場面では目の高さの障害物に気をつける。
- 強い直射日光を避ける:紫外線が強い時間帯の長時間の外出は控えめに。日差しの強い日は日陰を選ぶ。
- 毎日ひと目チェック:スキンシップのついでに、左右の目の色・濡れ具合・目やにを見る。「いつも」を知っておくと「いつもと違う」に気づける。
目だけでなく、皮膚や被毛のコンディションも全身の健康のバロメーターです。肌のトラブルが気になる場合はボストンテリアのお手入れもあわせてご覧ください。
受診の目安
迷ったときは、次のいずれかにあてはまれば受診を検討してください。とくに上の段ほど急ぎめに考えるのが安心です。
- 目を強く痛がる、開けられない、急に目つき・見え方が変わった(できるだけ早く)。
- 目頭に赤い膨らみが出た、白目が強く充血している、目が白く濁ってきた。
- 涙・目やにが急に増えた、片目だけ様子がおかしい、しょぼしょぼが続く。
- 市販の目薬で様子を見たくなる前に、まず相談する。
目の病気は、種類の見分けや治療の判断に専門的な検査が必要です。この記事はあくまで気づきのための情報で、確定診断と治療は動物病院で受けてください。ほかの体の不調が気になる場合はボストンテリアのかかりやすい病気もまとめています。
出典・参考
最終更新:2026年6月14日 / 編集:WATA編集部(ボストンテリア専門)